以前、
「アクセス解析イニシアチブ(a2i)の標準化分科会に参加します」というエントリで触れた、
a2iの標準化分科会。
10月28日に発表したガイドラインはかなり注目を集めたようで、さらにその先に進もうと2回目のオフラインミーティングが今週の火曜日に開催されることとなり、行ってきました。
メンバーがさらに増え、コアな話題をコアな人々がごく普通に語り合うという、知らない人からすると「この人たち何なの?」といった雰囲気を堪能。詳細は今後順次検討を進めていくわけでとりあえずここでは記しませんが、基本的にはすでに公表されたガイドラインへの指標項目の大幅な追加が予定されています。
そして標準化分科会が行われた場所でそのままa2iの懇親会へ。広いと思われた会場が気がつけば身動き取れないくらい入ってます。幾人かに個人的な《旋風のごとき諸事情》(ステパン・トロフィーモヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー風)について説明。
さて、本題。この懇親会でクイズ大会があって、正解の多い順に賞品が出るという流れに。で、
@makitaniさんともう一人の方が全問正解を果たして颯爽と賞品をゲットする中、衰弱も2問間違いで賞品にありつけることに。するとそこにはWeb解析関係の本が積んであるわけです。迷わず選び取りました、
アイ・エム・ジェイの村上さんと手崎さん(
@ytesaki)の
「ウェブ解析力 ROI(投資対効果)を最大化するアクセス解析の実践的ノウハウ90」(翔泳社)です。え? 読んでないどころか、
持ってないの?! はい!
すみませんでした! というわけで、当日懇親会に参加していた共著者の手崎さんに早速サインをお願いしました。
どうです! イラストつきです! 手崎さん曰く、はじめてサインをしたとのこと。ぼくの私物である緑のインクが入ったペリカンの万年筆で書いていただいたので、おそらく今後もこれと同じサインはそう出回らないはず。まさに
ファン垂涎の一冊であります。しかし、恐縮しきりでした、はい。何せ、手崎さんはぼくが知る限りでもかなり以前から衰弱堂雑記を読んでいると思しき貴重な存在だったのです。
いったい誰がこんな盆暗なblogを読んでいるのだろうと常々不思議に思っていたのですが、ずいぶん前にLivedoor Readerで衰弱堂雑記のRSSを自分で登録して、フィードの詳細を確認したことがあるのです。そのときにytesakiさんという人がどうやら読んでくれているらしいというのが最初で、その後TwitterでWeb解析界隈のつながりが次第に可視化されて再発見したという次第。お前、
数少ない雑記の読者の本を買わないとは不義理にも程があるだろう! 返す言葉もございません……。
いやー、いいものもらったなあ、と思ったのもつかの間、衰弱、結構プレッシャーかかってます。これ、書評書かないわけにいかないでしょ!
えー、いただいたあとも目を通せず、今日もベルナール・スティグレール来日のシンポジウムに半日取られ、とりあえず「もらったー!」だけは報告しようとこの愚にもつかない文章を綴っている次第でございます。
ちなみにざっと目を通しましたが、個人的にこの手の「○○力」みたいな本に偏見があったのですが、これは
Webサイトの実務寄りの人は買って損のない一冊では。すでに書評をあげた
「Webアナリスト養成講座」という大著はWeb解析のすべてを盛り込もうとした、Webアナリストというスペシャリストとして生きていく人にとって必携の一冊ですが、一度に理解するには相応の知識と経験を求める、人を選ぶ本でもあります。
「ウェブ解析力」は具体的な事例を盛り込みつつ、短い項目ごとにポイントを押さえ、すぐに使えそうな情報をうまくまとめている感じです。Webサイトの運営に携わっていて、必要に迫られてWeb解析についてこれから勉強したい、という人は、まずこちらを手にとって、自分がやらなければいけないタスクに関わる項目を中心に目を通して具体的なイメージをつかむ方が近道かもしれません。かなり突っ込んだ解析まで含んでいるので、一読してわからない部分は飛ばして、実践を通じて少しずつできることを増やしていくような使い方でどうぞ。
装丁を担当された宮嶋章文さんもいい仕事をされてます。二色刷りの本文は適度に図版やスクリーンショットを交えて内容をよりわかりやすく伝えています。
懇親会ではいつもTwitterでお世話になっている方々をはじめ、何人かとお話しさせていただくことができました。古い知人でもある
@sakamotohさんとはおよそ2年半ぶりの再会。
実践CMS*IAを運営されている楽天の
@mak00sさんにお話しを伺えたのも収穫でした。シャープなエンジニアが共通して持っている独特のたたずまいが印象的。ぼくも来年は「実践」の年にしたいと思いますが、さて、どこまでできるか……。
そういえば、我が家にサイン本なるものはいったい何冊あったろう。大学時代のサークルの先輩の本、人形作家の土井典さん(彼女の人形は澁澤龍彦が所有していたことで知られている)の作品集、美術出版社でバイトしていたときのデザイン学の先生の著作(これはすごくいい本だが絶版のはず)、年長の畏友でいまはニューヨークにいる平川典俊さんのカタログレゾネ、かな。結構あるものだなあ。