「K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!」

sports 】 2008 / 01 / 01
かくして1年はなんとなく過ぎ去り大晦日。ビールとつまみを買い込んで、いざDynamite!!でも見ようじゃないか。ところがあちこち買いまわっていたら放送開始の18時どころか19時を少し回った頃合い。
しかし慌てない。去年は放送開始とほぼ同時に飲み始めたらなかなか試合がはじまらずに1時間が過ぎ、途中でビールがなくなったのである。どうせ今年も同じ罠だろ。何せ18時から23時過ぎまでのロングランだ。案の定、テレビをつけると去年の試合を流している。相変わらずのセンスだな。TBSのスポーツ中継はほんとに垢抜けない。センスがない。が、PRIDEも、いわんやINOKI BOMB-BA-YEもない大晦日なのである。Dynamite!!しかないのである。

そんなわけでようやく開会。以下、テレビ観戦順に。

K-1甲子園

語るに値しない。名前を書き記しておく必要性も感じない。こういう場所でやると、選手の持つ厚みがはっきりわかると思えたことだけが収穫か。何かが起こる予感をまったく感じさせない、とにかく退屈な試合。ひたすら早く終わることを祈るのみだった。次はないな。


○ 田村潔司 × 所英男

U系新旧対決は田村の一方的な展開。過去に重量級との戦いを経験してきた田村はとにかく身体の厚みがちがう。2Rのミドルの蹴りあいでは所が繰り返し吹き飛ばされる一幕も。ポジショニングでも田村が終始上を行く。所は打ち手がまったくない感じ。
3R、所が田村のミドルをうまくくぐって片足タックルからヒールを狙うもあっさりつぶされる。グラウンドでも田村は圧倒、再三ハーフガードからサイドを狙うが、所が巧みにディフェンスし、3Rへ。最後はハーフガードからアームバー。所はこれを懸命に耐えるが、最後はタップアウト。スポーツナビの速報を見ると、どうやら試合後に前田日明と一幕あったようだ。非常に大人気なくて前田らしい。笑い。


○ 武蔵 × ベルナール・アッカ

凡戦。相手を見すぎる武蔵の悪いところが目立った。あのレベルにろくに手を出せぬまま3Rまでもつれるとはねぇ。逆にベルナール・アッカは金を取るに値するファイトをした。ガードの上からとはいえ、熱のこもったラッシュは期待以上。


○ 魔娑斗 × チェ・ヨンス

チェ・ヨンスが意外にも下からゲームを組み立てる。回し蹴りには笑った。魔娑斗は堅実なゲームメイク。1R、チェが頭を下げたところにミドルを入れてダウンを奪うとほぼ一方的な展開。バランスの取れた姿勢から上下、ミドルを的確に放つ魔娑斗に対し、チェの攻撃は散発的で態勢も崩れっぱなし。2Rは魔娑斗が一方的に攻め立てる。3R、チェは苦し紛れのバックブロー連発も完全にガードされ、なすすべなく防戦一方。タオルが投入され魔娑斗のTKO勝ち。


○ ニコラス・ペタス × キム・ヨンヒョン

キム・ヨンヒョンはとにかくでかい……。ペタスはセオリーどおりロー連打。軽快なステップワークでキムを翻弄、1Rでダウンを奪うと2Rはさらに積極的に攻勢に出る。ローを散らしつつ、ガードの下がったところでハイキックをあごに当て、ロシアンフック気味のパンチを顔面に持ってくるとあとは連打をヒットさせTKO勝ち。大男をどう料理するか、というテーマに対してマンガのようにわかりやすい展開でさくっと仕留めたペタス。気持ちのいい一戦だった。


西島洋介 × メルヴィン・マヌーフ ○

ゴングに合わせて突っ込んだのは意外にも西島。マヌーフは明らかに様子見。リング中央で見合う両者。それでもマヌーフがスタンドからラッシュを仕掛けると西島は防戦一方。スタンドではボクシングテクニックを駆使してマヌーフのラッシュをかいくぐる西島だが、一瞬のタックルで倒されるとあまりにも脆い。簡単にマウントを取られ、危険なパウンドを浴びてレフェリーストップ。西島、なんて不器用な男か……。


○ 山本"KID"徳郁 × ハニ・ヤヒーラ

期待を裏切らない純度の高い試合。アブダビ王者のヤヒーラにKIDが徹頭徹尾ストライキング、は誰もが戦前に予想した通り。が、そこからヤヒーラはあえてKIDの土俵に乗って打ち合いに出て、一瞬たりとも目を話せない張り詰めた空気に満ちた。打撃戦の合間に何度かグラウンド勝負を挑むヤヒーラだが、KIDは付き合わない。KIDが的確にヤヒーラの顔面を捉え、ヤヒーラは出血。最後はスタンドからのスピーディなラッシュを決めた。ある意味順当な結末だったが、スタンドでKIDを一度はぐらつかせたヤヒーラの意地が負けてなお濃厚な気配を漂わせ、プロとして本物だと認めさせるに足る一戦だった。KIDはスタンド勝負とわかっていても、相手の寝技にどう対処するかを含めた緊張感とそのスピードでいつも見るものを魅了する。今後はどんなテーマを作っていくのかも興味深い。


○ ボブ・サップ × ボビー・オロゴン

ハッスルを見ていたので未見。


○ ズール × ミノワマン

ハッスルを見ていたので未見。なんかミノワマンがズールの周りをすごい勢いで回っていた。笑い。


○ 桜庭和志 × 船木誠勝

桜庭がリングに上がる瞬間映った船木の佇まいにはしっかりとした何かが宿る。この試合が特別なものだと思い知らせるに足る何かがある。
力強い静謐に満ちた立ち上がり、ほぼ互角のスタンディングから桜庭がするっとテイクダウンしガードポジション。船木は巧みに関節を狙い、桜庭はうまく動かせない。密着状態から桜庭がうまく腕を抜きアームロック狙い、船木のクラッチをたくみにはずしタップアウト勝ち。
展開はほぼ桜庭の想定内だったと思う。船木の狙いは最後までわからずじまいだった。結果的に見れば、船木は完敗だったと思う。が、復帰して大晦日の舞台に立ったことを納得させるだけの佇まいだった。もう1戦見たいし、いずれは柴田との師弟対決も実現して欲しい。


○ エメリアーエンコ・ヒョードル × チェ・ホンマン(「やれんのか! 大晦日! 2007!」中継)

この試合はたぶん大方の予想通りの結果だろう。それでも、チェ・ホンマンは間違いなく規格外の存在だった。タックルを上から潰され、その圧力の前にヒョードルも屈するかと思った刹那、下から巧みに腕十字を取りにいくヒョードル。一度はヒョードルごと担ぐようにして振り払ったチェのパワーに驚嘆し、はやくも傷ついたヒョードルの顔(試合後、本人はマットで擦れたのではと語っている)を見て、まさかを思い浮かべているうちに再度チェが上を取る。しかしヒョードルはまったく慌てず、巨体をきっちりガードポジションでコントロールし、パウンドを振り下ろすチェの腕を再度足がらみで捕らえ、逃さず決めた。規格外の存在をほぼゲームプランの範疇でコントロールしあっさり決めて見せたヒョードル。巨体のチェ・ホンマンが子供じみて見えたのだから恐ろしい。そこにいたのはまさしく皇帝だった。


○ 三崎和雄 × 秋山成勲(「やれんのか! 大晦日! 2007!」中継)

PRIDEとHERO'Sの中量級王者同士の激突。元柔道家の2人がグラウンドを峻拒してスタンドで真っ向勝負。1R、先に決定的な局面を作ったのは秋山。右を当て、倒れた三崎に飛び込んでパウンドの嵐。HERO'Sならあれで止めていたはずだが、三崎は辛くも態勢を整えスタンドに戻す。ところが1R終盤、今度は三崎。大きな左フックをあわせ倒れた秋山の起き上がり際に間髪いれずローを叩き込んで吹き飛ばし、飛び込んだところでレフェリーストップ。三崎、歓喜の勝利。GRABAKAメンバーがリングになだれ込み、感極まった高田統括本部長が潤んだ目で三崎を祝福。PRIDEが失われた大晦日に、その魂を大観衆に見せつけた三崎。昨年末のUFC79で、もう一人のチャンピオン、ヴァンダレイ・シウバがチャック・リデルにフルマークの判定負けを喫しているだけに、高田ならずともしびれるような1戦だった。チャンピオンとして非常に地味な存在だった三崎はこの一戦で大きく格を上げた。しかし、今後どこにあがるのか……その点が複雑ではある。


宮田和幸 × ヨアキム・ハンセン ○

ここ2戦、期待以上の戦いを見せた宮田が強豪ヨアキム・ハンセンに挑む好カード。なかなかはじまらないので最後にまとめてダイジェストかと思いきや、これが地上波放送では最後の一戦に。立ち上がり、互角の展開からコーナーに押し込んだ宮田がスムースにハンセンを倒して上に。しかしハンセンは固いガードポジションから隙を見て再三足で三角を狙いつつ、長い手足を生かしたラバーガードをみせるなど下のポジションでゲームを完全にコントロール。宮田は決め手を欠く。1R終了間際、ハンセンがスタンドでダウンを奪うも宮田はゴングに救われた。宮田は終始上になる展開もそこからの極めがない。逆にグラウンドで攻勢に出たハンセンのチョークにあっさり敗れ去った。


最後に放送全体の総括。
今年は「やれんのか!」の2試合が加わったことで去年に比べずっと味わい深い放送になった。しかし最初にも書いたように、TBSの編集は最悪だった。少なくとも日本のお茶の間向けの放送で、13試合中3試合目に組まれている宮田−ハンセン戦をトリに持ってくるのはどうかしているというほかない。てっきり宮田が勝ったものと思ったぞ、ほんとに。ハンセンのグラウンドワークは総合格闘技の上質な部分を集約していて見ごたえはあったが、それでも番組を宮田の敗戦で締めるのは後味悪いことこの上ない。

あとは本来中継に含められるはずだったと思しき「やれんのか!」の青木真也−J.Z カルバン戦がカルバンの直前の負傷で流れたのは返す返すも残念。青木は今後もこうしためぐり合わせに引きずられ、いい流れを断ち切られてしまうのだろうか。

そんなわけで、今年最初のこのエントリーが実は200本目のエントリーに。こんな話でよかったのか?! まあ書いちゃったものはしょうがないよな。そんなわけで、みなさま本年もよろしくお願いいたします。

タグ:MMA





Comment(2) | TrackBack(0) | sports

この記事へのコメント
あまりに飲みすぎて桜庭がアームロックかけたところで眠っちまったんだ・・・orz
本当は「エメリアーエンコ・ヒョードル × チェ・ホンマン」が一番見たかったのに!どっかにあがってないのか!
Posted by じの at 2008年01月01日 10:31
Dailymotionにありますな。

エメリアーエンコ・ヒョードル × チェ・ホンマン
http://www.dailymotion.com/video/x3wv4z_fedor-vs-hong-man-choi_extreme

三崎和雄 × 秋山成勲
http://www.dailymotion.com/video/x3wu2a_kazuo-misaki-vs-yoshihiro-akiyama-y_extreme

Posted by 衰弱堂 at 2008年01月01日 11:10
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