エリック・ピーターソン「Web Analytics 2.0」

marketing 】 2007 / 10 / 23
WebAnalyticsDemystifiedのエリック・ピーターソンが、SemphonicというPPCをつかったキャンペーンの効果測定ツールやコンサルティングなどを行っている会社が主催したSemphonic X change Conferenceというイベントのキーノートスピーチで「Web Analytics 2.0」というテーマで話をしたようで、誰かまとめてくれないかなあと思っていたものの見つからず。仕方ないので簡単に自分用の覚書(かつ社内向け資料)としてまとめておきます。

内容的には以前「ページビューなんてすでに無意味になっている、けれども。」やエントリ元になったHotWeb Magazine「ページビューが意味の無い日が近々やってくる」と似たような話で、特に「ページビューが意味の無い日が近々やってくる」で最初に取り上げられているAJAX、RSS、WidgetのようなWeb2.0がらみのテクノロジーがWeb解析に与える大きな影響を取り上げています。実際にWeb解析にあたる実務担当者には切実な問題も含まれていて共感と悲哀を誘います。苦笑。

冒頭で「昔はよかったなあ……("I Miss the Good Old Days...")」という言葉が掲げられ、こんな悩みはなかったんだよなぁ、という列挙があっていきなり涙目です。
・Cookieの削除?
・ユーザ生成コンテンツ?
・ページビューの死?
・Java Scriptを自動実行するエージェント?
・XMLやRSSフィードによるコンテンツ配信?
・iPhoneやブラックベリーのような今までなかったWebブラウザ?
・訪問者の関与("visitor engagement")や読者の影響を表すやっかいな指標?
・イベントベースのデータモデルに基づく、どこでもつかえるRIA(リッチインターネットアプリケーション)の増大?

ここに上がっているものは現状多かれ少なかれそれなりの規模を持つWebサイトでは間違いなく直面している問題で、ほんとに「昔はよかったなあ……」なわけです。さらにWeb1.0とWeb2.0のそれぞれにおけるWeb解析の問題点を比較し、アメリカにおけるWeb2.0系のWebサイトのトラフィックが2005/4から2007/4の2年間で2%から12%に増加(Hitwiseのレポート)、Nielsen//NetRatingsの2006年11月のレポートでも同様の成長がみられ、かつ他のWeb1.0サイトの利用者に比べ"Active, engaged and sticky"だとし、Web2.0の時代の到来は不可避であるがゆえ、今こそ変化するインターネットに対する不可避の対応としてWeb Analytics2.0に手をつけるべきだ、としています。

Web Analytics 2.0はWeb2.0を前提としたWeb解析のアプローチとして提唱されており、Web2.0同様に全く新しいものではなく1.0の延長線上に存在するものとしてエリックの中では捉えられているようです。

エリックはWeb Analytics 1.0の効果測定のフレームワークを
【ユーザ:人】
 ↓
【クライアントツール:Webブラウザ】
 ↓
【アクティビティ:セッション】
 ↓
【イベント:ページビュー/インプレッション/クリックスルー】
と定義した上で、Web Analytics 2.0のそれを
【ユーザ:人/ロボット】
 ↓
【クライアントツール:Webブラウザ/ウィジェット/フィードリーダー/Webメーラ】
 ↓
【アクティビティ:セッション/サブスクリプション/キャンペーン】
 ↓
【イベント:ページビュー/ポストビュー/ファイルダウンロード/フィードリクエスト/インプレッション/クリックスルー/購読】
のように人だけでなくロボットやエージェントをも含めた訪問者による多様化するクライアント、多様化するアクティビティ、多様化するイベントを前提としたフレームワークとして素描しています。

その上で、Web Analytics 1.0とWeb Analytics 2.0の相違点として以下の9つのポイントを列挙しています。
・【データモデルは訪問者>訪問>ページビュー】
 →【データモデルは利用者>クライアントツール>アクティビティ>イベント】
・【まずデータ量を重視】
 →【質量ともに充実したデータ】
・【訪問者は基本的に滞在時間に基づいて集計される】
 →【訪問者は不特定のまま個々が継続的に把握される】
・【Webページの測定を重視】
 →【配信システムに関わりなくコンテンツ配信の測定を重視】
・【単純なイベントの捕捉(ページビューやクリック)】
 →【複雑なイベントの捕捉(ドラッグ、ドロップ、ズーム、ビュー、クリック等)】
・【データは基本的にシングルソース(ログファイルや測定用のタグ)】
 →【様々なデータソースを利用(測定用のタグ、複数のログファイル、API、XML等)】
・【データの収集とレポートに注力】
 →【データの分析と最適化に注力】
・【現在、数多くのベンダーが存在】
 →【現在、対応するベンダーは皆無】


こうしたWeb Analytics 2.0を成功に導くためには、"Resouces(人とテクノロジーの両面でのリソース)"、"Analysis(報告ではなく分析が求められる)"、"Multivariate testing(複数のクリエイティブから最適のものを選び出す。とにかくテストを重視しろ)"、"Process(プロセス指向のWeb解析アプローチは必須)"のRAMPが重要、というのが結論。始めるにあたっては戦略的な効果測定のロードマップを引きなさい、とのこと。

マルチバリエイトテストを特筆しているところがちょっと面白いアプローチですが、要は定跡のない世界ゆえ、継続的なテストを通じて知見を蓄積するしかない、ということでしょうねえ。

ちなみにエリック、調子に乗って最後にはWeb Analytics 3.0についても言及しています。苦笑。

これ、スマートフォンに代表されるモバイルコンピューティングを前提としたWeb解析、といった話で、小さなスクリーン、異なるユーザビリティ、JavaScriptやCookieが使えないおそれ、などの課題がある一方で、端末のユニークIDによる特定や位置情報と結びついた特定をいかしたユニークな機会があるのでは、と前向きに捉えています。まあ、このあたりはおそらく日本の取り組みの方が進んでいる気がしますけど。






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