ソフトウェア・リリースサイクルの終焉(なんか踏んだかも)

network 】 2007 / 08 / 15
先日、「サイボウズの存在が日本のイントラネットの生産性向上を阻害している」という物騒なタイトルのエントリーを書いたところ、まったく誰にも相手にされず、サイボウズ青野の3日ボウズブログに打ったトラックバックも見事に空振りしたわけですが、なんかBuzzurl [バザール]というソーシャルブックマークサイトでブックマークいただいた上コメントを頂戴していたようです。ありがたくて涙が出そうになりました。こんな辺鄙なブログでも読んでくださる方はいらっしゃるんですね。

で、そのコメントが気になったので、ちょっと書いてみようという気になったのですが。
『正直言って、サイボウズOffice6って、ちょっと気の聞いたプログラマなら1ヶ月くらいで普通の会社が使ってる機能はすべて作りこめますよ。サイボウズ以上の使いやすさで。』

業務アプリは95%の完成度ではなく、99.9%の完成度と120%のアフターフォローが必要なんだと思う。
エンジニアの方なんでしょうか。確かに一面その通り。気の利いた(気の聞いたは原文の間違いです)プログラマごときに業務アプリを作らせるなんて、と。

でも、業務アプリでも基幹系と情報系では求められるサービスレベルは全然違いますよね。まして、ぼくは先のエントリーでこう続けていますよね。
正直言って、サイボウズOffice6って、ちょっと気の聞いたプログラマなら1ヶ月くらいで普通の会社が使ってる機能はすべて作りこめますよ。サイボウズ以上の使いやすさで。だって、サイボウズなんて、スケジューラとファイル管理以外いらないでしょ? ワークフロー? あんなの使わないでしょ。勤怠管理? ありえない。
(原文に強調を追加しています)

スケジューラとファイル管理以外いらない、と書いたのは、実際にサイボウズが導入されているぼくの職場ではそれ以外機能していないからです。で、この2つのアプリケーションの完成度で、95%と99.9%にどのくらいの違いがあるのか、エンジニアでないぼくにはさっぱりわかりません。

そもそも、この考え方って明らかにWeb2.0以前の発想ですよね。

ぼくはすべてがWeb2.0的な方向に流れるべきだとは必ずしも思っていません。でも、グループウェアは日々変化しつづける企業のワークスタイルや企業で働く人々のライフスタイルをも含めて支える基盤ゆえに、積極的にそうした方向に舵を切るべきだと考えています。個人的にそうしたグループウェアがほしいんだ、ということでもありますが。

ティム・オライリーは「4.ソフトウェア・リリースサイクルの終焉」の中で
オープンソースの開発慣行にならい、ユーザーを共同開発者として扱う(これはオープンソースライセンスに基づいてリリースされる可能性が低いソフトウェアにも当てはまる)。「早期に、かつ頻繁にリリースする」というオープンソースの格言は、「永久のベータ版」という、さらに進歩的な概念へと姿を変えた。ソフトウェアはオープンな環境で開発され、月ごと、週ごと、時には日ごとに新機能が加えられる。Gmail、Google Maps、Flickr、del.icio.usといったサービスのロゴから、何年間も「ベータ」の文字が外れなかったとしても驚くには当たらない。
と書いています。スケジューラが永久のベータ版だなんて、もう完成度95%どころじゃないですね。でも、それでいい気もします。実際、Googleカレンダーはよくできていると思いますよ。企業で使う上ではアカウント管理の問題が大きいから導入が進まないだけで、ほんとにスタートアップで人数の少ない小さな企業ならこれで十分かと。

120%のアフターフォロー? サイボウズにそんなものありましたっけ? なんかダッシュボードにすごいスペース取ってるcybouzu.netとかいうのがあって、そこに「サイボウズからのお知らせ」というのがあるんですが、ろくに更新されてないような。で、cybouzu.netっていうのがまた意味のわからない代物で、これ何に使えばいいのかさっぱりわかりません。ユーザコミュニティの「もっと!サイボウズ」を覗いてみれば、「掲示板でツリー表示できませんか」という非常に低レベルなリクエスト(いまどき出来ない方がめずらしいんじゃ)があがっていたり、他社製品のバージョンアップの話題で盛り上がっていたり。

もう一度ティムの言葉を引きましょう。『ソフトウェアはオープンな環境で開発され、月ごと、週ごと、時には日ごとに新機能が加えられる。』これは極めて極端な言及だと思いますが、ある時期までのサイボウズOfficeは確かに次々に新機能が加えられ、ユーザの期待に応えてきたと思います。そして、Office6で歩みを止めたわけです。急に99.9%の完成度を求め始めたのでしょうか。それは進むべき方向として間違っていると思いますが。

ユーザコミュニティを見る限りではサイボウズOffice6に関して少なからぬ期待とリクエストが寄せられているように感じました。ぼくもユーザとして、不満を抱えつつ、会社で導入されてしまったものと受け入れて使っています。掲示板でツリー表示、ほしいです。ある社員が毎日日報を掲示板を利用してアップしています。しかし、コメントをつけたくてもつけられません。コラボレーションできないグループウェアに120%のアフターフォローなんて求めませんけどねぇ。「早期に、かつ頻繁にリリースする」ことができない、ソフトウェア製品の死を、Web2.0は告げています。堅牢なデータベース構造とアカウント管理、このコアの部分で99.9%の完成度があれば、その上に載るアプリケーションは永遠のベータ版でいい、と考えるべきではないでしょうか。

と、ここまで書いて、コメントをくださったusamiさんという方はどんな人なのかとリンクをたどってみたら……え、神泉で働く社長の宇佐美進典さん?

うわ、やっちまった。EC Naviの社長相手にWeb2.0の講釈垂れてるよ。でも一所懸命書いたので、このままエントリしますけどね。微笑。あ……しかもcybozu.netの代表取締役CEO様でもあるのか。もしかして、衰弱、なんか踏んじゃった? タイトルだけちょっと変えるか……それ意味ないだろうけどなあ。

えー、もしかすると衰弱堂雑記、本日で終了となるかもしれませんが、明日の更新をお楽しみに……。苦笑。






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