5分でだいたいわかるビジネスマネジメント(イケメン農家編)

marketing 】 2007 / 08 / 13
大前研一を愚弄してみたりサイボウズに喧嘩腰でぶちかましたかと思えばひたすらしらたきの食い方を追求したり脈絡もなく読んだ本を紹介しているだけのこのブログ、アクセスログを見ると必ずあるブログからアクセスがあります。竜一さんの「国産黒豚生姜焼き定食大盛り580円」というブログです。よくわからん記事の日でも、一応毎日来てくれているのだなあ、と勝手に感謝しています。

そこで感謝を込めつつ、個人的にもう少し掘り下げたいと思っていた「5分でだいたいわかるプロジェクトマネジメント」というエントリを、農業を営む竜一さんをケーススタディとしてお送りしてみたいと思います。しかし、農家のプロジェクトマネジメントなんて過去に語った人はいるんだろうか? もしかして衰弱堂が先駆者? 開祖? しめしめ。

とりあえず準備として前回のエントリを読んでいない方、忘れてしまった方(あ、衰弱も半分忘れかけてる……)はあらかじめ読んでおいてください。

さて、前回のエントリでは大枠を説明しましたが、今回は特に図の上の部分、ビジネスマネジメントにあたる<ビジョン−シナリオ−成果物>に焦点を当てて考えてみたいと思います。

まずは竜一さんについてご存知ない方も多いかと思いますので、ブログで公開されている情報をもとに簡単に紹介させていただきます。

彼は高知県でシシトウとしょうがを栽培する若き農家で、公開されている写真をご覧いただくとおわかりのようにイケメンであります。ちなみにこれ重要。ブランド化する上で大きな差別要因。笑い。

そんなイケメン農家、竜一さんのビジョンはなんでしょう? ちょうど今日のエントリー「自然を守る仕事」は彼のビジョンの一端を披露するものとなっています。
「百姓という仕事は自然を守る仕事だ」

前にやってたNHKの連ドラ、「天花」 で、ヒロインのおじいちゃんが言っていたセリフ。

(中略)

で、私は草を刈る時によくその言葉を思い出します。

当たり前ですが草は売れません。
ぶっちゃけ、楽な仕事じゃありません。
お金と時間と労力をかけて一生懸命草を刈って無報酬。


ですが、私は自然を守ってるんです!
そんなことは言ってられません。

ムチャムチャ暑くっても強靭な精神力で刈ります。



だって私は自然を守るヒーローですもの!
「自然を守るヒーロー」、それが竜一さんのビジョンの一つです。

さらにブログのトップ画像にはこんな言葉が掲げられています。
南国高知の太陽の光を
いっぱい浴びて育った高知県産野菜は
あなたの心を元気にしてくれます
「高知県産野菜」という食材を送り届けることを通じて「あなたの心を元気に」すること、これもまた竜一さんのビジョンの一つです。

また自己紹介の「雑記」として、彼はこう書いています。
もっとたくさんの人に農業に興味を持ってもらって
少しでも農家の高齢化に歯止めが掛かればいいなと思います。
「もっとたくさんの人に農業」という職業に興味を持ってもらうこと、これもまた竜一さんのビジョンの一つでしょう。

おそらく、もっともっと多くのビジョンが、竜一さんの中にはあると思いますが、ここでは上記の3つをそのビジョンとしてまとめることにします。すなわち、

・「自然を守るヒーロー」として自然と共に生きる
・そのヒーローが作る野菜を食べてもらい、みなに元気になってもらう
・そしてヒーローの生き様を見てもらうことでより多くの人に農業に関心を持ってもらう


この3つがイケメン農家、竜一さんのビジョンです。ではここからどのように彼はシナリオを組み立てたのでしょうか。彼のシナリオは「ブログを通じて全てを明らかにする」ことをベースに組み立てられています。すなわち、

・読みやすく明るい文章で農家の生活を広く伝える
・高知県でシシトウとしょうがを生産する若きイケメン農家の存在をアピールする
・生産から出荷までの過程やシシトウの種類、辛いシシトウの見分け方など様々な情報を提供することで野菜自体への関心をより高め、消費拡大につなげる


といったシナリオが実はあのブログには隠されていたのです!(ほんとか?!)

狂牛病問題を契機に、日本の食の安全性が問われる中で、今後一層食のトレーサビリティや契約農家によるスーパーでの直販などの<生産−販売>の直結は進みます。また契約農家を持つスーパーでは生産者の顔写真を表示することで「誰々さんの野菜」といったブランド化への契機が見え始めています。その一方で、後継者難による日本の農業の危機は単に農業にとどまらない日本社会全体の問題として一部でクローズアップされています。

竜一さんのビジョンはこうしたさまざまな問題に対するソリューションとして非常に説得力をもつものであり、そのシナリオも現状にマッチしたものです。

それゆえ、イケメン農家竜一さんの成果物は、出荷するシシトウやしょうがだけではなく、「国産黒豚生姜焼き定食大盛り580円」というブログも含めてこそ、彼の成果物になるのです。

ここまでの<ビジョン−シナリオ−成果物>の流れを見た場合、竜一さんにとっては恐らく以下のようなプロジェクトの必要性がクローズアップされてきます。

・既存の農産物流通を通していては成果物の「シシトウ、しょうが」と「ブログ」を一緒に消費者に送り届けることが出来ない。どうすれば、それが可能になるか?

・より多くの人に「高知県産野菜」で元気になってもらうことを考えた場合、「シシトウ、しょうが」という作物の選択は適当だろうか? 何を作ることがビジョンの実現にとって最適なのか?

・ビジョンを実現しシナリオを遂行する上でブログというメディアを選択したのはよかった。しかし、このブログ自体をより広く知ってもらわなければメッセージが必要な人に到達しない。広報戦略が必要なのではないか? 言い換えれば、どうやれば「農業界の氷川きよし」になれるか?


これらをプロジェクトとして遂行するためには、前回の「5分でだいたいわかるプロジェクトマネジメント」を参照のこと。笑い。

そしてすでに前回にも少しだけ書いているように、こうした一つ一つのプロジェクトは制約条件下にあって、実現可能なものとそうでないもの、今は無理だけれど将来的には可能かもしれないもの、などがあるわけです。また、ビジョンとうまくすり合わないものも出てきます。

そもそも、人が持つビジョン自体が矛盾を孕まずにいること自体、まれなんですよね。自然環境にやさしく、と自動車会社が口にしたりするのがその典型。笑い。それでもなお、矛盾を超えて自分が考えるビジョンへと近づこうと、シナリオを修正しながら進んでいくことが重要。

そんなわけで、竜一さん、なんかの参考になったでしょうか?

え、都会もんの能書きはいらねえからこっち来て一緒に草を刈れ?

いやあ……そこはそのぉ、ぼくにもぼくのビジョンというものがございまして……。笑い。
そんなわけで、これからも自然を守るヒーローの活躍を涼しいところより密かに応援しております。(非道い。)

あ、しまった。また適当にタイトルつけたが、これ5分じゃ無理じゃん。







Comment(2) | TrackBack(0) | marketing

この記事へのコメント
爆笑。(T▽T)
ここまで私のブログの裏に隠されている真実を見抜くとは、さすがカリスマ親方。
シナリオ、ビジョン、正にその通りで大当たり。(笑

そして、
『どうやれば「農業界の氷川きよし」になれるか?』
そうなんですよ!そこなんですよ!
で、どうすればいいのかと5分でだいたいわかるなんたらを読みました

ええ、読みましたとも。
要するに、キラキラした衣装に身を包んで歌う動画を載せろ!ってことですよね?(←ちがうわ!
Posted by 竜一 at 2007年08月13日 13:34
こらっ、さぼらず草を刈れ!w

あ、シエスタの時間ね。(どこの国の農家だよ)
Posted by 衰弱堂 at 2007年08月13日 13:44
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