サイボウズの存在が日本のイントラネットの生産性向上を阻害している

network 】 2007 / 08 / 12
サイボウズOfficeによって日本のイントラネット普及の牽引役を担ってきたサイボウズが10周年を迎え、心機一転の新戦略とやらを発表した。

で、ITmediaの別の記事を読むと、この発表会で、ようやく2003年6月17日に発表会を行い公開された「サイボウズ Office 6」にも手が入るようだ。
 また、主力製品の1つである中小規模向けグループウェア「サイボウズ Office」の次期バージョンを今年度(2008年1月期)内に商品化することを表明。
4年かかって、ようやく次期バージョンを口にできる段階までたどりついたのか。さすがだなあ。ITmediaの表現を借りれば『国産ソフトウェアメーカの新たな息吹』を感じるね。笑い。青野慶久社長のブログのエントリにも、このバージョンアップの件は大書されてますね。
どのような方向でバージョンアップすべきか議論を重ねた結果、より「安心」して便利に使い続けていただけるように、鋭意開発を進めております。
え、キーワードが「安心」? すごい不安になってきたよ……。

で、この心機一転の新戦略がまたしょぼい。簡単にまとめれば、「2大ブランド化」と「リレーション・マーケティング」。それぞれ、すでに上でリンク済みだがITmediaの「創立10周年のサイボウズ、心機一転の新戦略を発表」でわかりやすくまとめられているので引用しよう。
・「2大ブランド化」
「サイボウズ Office 6」や「サイボウズ デヂエ」などを中小企業の現場担当者向けに提供する「かんたんシリーズ」と、「サイボウズ ガルーン 2」や「サイボウズ ドットセールス」などを中堅・大企業の情報システム担当者向けに提供する「ガルーンシリーズ」の2つに分類
・「リレーション・マーケティング」
ユーザーが製品の相談や情報交換をするための「ユーザーコミュニティー」をWeb上に開設するほか、実際にユーザーが集まる「ユーザー会」を開催する。また「導入後の電話フォロー」「導入ガイダンスの準備」「10周年記念イベントの開催」を実施し、ユーザーの満足度の向上を目指す。
はぁ? あの、これ全然戦略じゃないんじゃ……。というか、どの辺が心機一転なのかさっぱりわからんのですが。じゃあ今までは何を考えてたわけ?

「2大ブランド化」の方からいえば、そもそもサイボウズのブランドイメージは圧倒的に中小企業向けグループウェアというところにあった。これを「かんたんシリーズ」とかいう、客を小ばかにしたようなブランド名に置き換える。で、単に言い換えにしかすぎない「ガルーンシリーズ」とかいうブランド名を作ってみる。えーと、大丈夫かな? ぼく、本気で心配になってきました……。

で、「リレーション・マーケティング」。えーっと、これ言い出したのどこの爺さん? 死語じゃね? で、やることは別に普通のソフトウェアベンダが当たり前のようにやってることですけど? 心機一転、当たり前のことをやってみよう、というのが今回の発表会の目玉の一つという理解でよろしいでしょうか? 青野さん。

以前のエントリでもすでに書いたとおり、なぜ他社がいま本気でサイボウズのシェアを取りに行こうとしないのか不思議でしょうがないわけですよ。うまみがないのかな、この市場。

正直言って、サイボウズOffice6って、ちょっと気の聞いたプログラマなら1ヶ月くらいで普通の会社が使ってる機能はすべて作りこめますよ。サイボウズ以上の使いやすさで。だって、サイボウズなんて、スケジューラとファイル管理以外いらないでしょ? ワークフロー? あんなの使わないでしょ。勤怠管理? ありえない。

サイボウズOfficeが初めて世に出た当時、グループウェアは非常に高額な投資を必要とするものだったし、オフィスで一人が1台のPCを使う環境が必ずしも当たり前ではなかったような気がする。そうした中でLANが普及し、イントラネットという言葉が当たり前になり、中小企業はサイボウズのずばぬけたセンスを持つマーケティング(最近は大人しくなった気がする)を前になだれを打って導入を決めていった。スケジュールの共有、ファイルの共有、日本の中小企業のオフィス内コミュニケーションを変えたのは間違いなくサイボウズだった。

そして、いまそのサイボウズの存在こそが、日本のイントラネットの生産性向上の一番大きな阻害要因になっている。選択肢が、サイボウズしかないからだ。desknet'sもサイボウズの亜流にしかすぎない。ぼくたちはいつまであのしょぼいスケジューラとファイル管理で仕事を続けなければいけないのだろう。10年前のWeb-BBSにも劣る掲示板でどんなノウハウを蓄積しろっていうんだ。え、あのファイル、サイボウズにあるの? 気付かなかったぞ。サイボウズブログ? なんでOfficeと別なわけ? この状態が本当に苛立たしい。

Web2.0の諸技術はすでにすぐ手の届くところにあり、ちょっと手を入れれば、ぼくたちはもっと簡単に情報を集約し、再配布し、より深くつながることができるんだ。グループウェアのダッシュボードを見ないと、会社の一日がはじまらない、そんな未来をぼくは望んでいる。

「誰かが新しい仕事をはじめたようだ」、「営業のあいつまた成果を上げた」、「お、こいつ使える企画書アップしてくれてるな、いただきだ」、「例のプロジェクトの人たち、大丈夫かな」……そこに社員一人一人の息吹があって、お互いを理解し元気づけることを通じて、より仕事が楽しくなる、そんなグループウェアが、ぼくはほしいんだ。

それはけっして高望みなんかじゃないことを、RSSは、SNSは、SMSは、すでに教えてくれている。なのになぜ、いま、ぼくの手元にその実体はないのか? それをサイボウズに期待するのは無意味なのか?






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この記事へのコメント
 H金属の情報を使って暗躍していないだろうね。
Posted by 喪黒 at 2008年04月02日 00:50
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