エリック・ピーターソン「Web解析の神話を暴く」〜プロセス志向でもっと利益をあげるWeb解析〜

marketing 】 2007 / 08 / 03
2日続けて第3回 Web マーケティング ROI Day関連の話で、しらたきファンのみなさま申し訳ございません。あ、最近しらたきに挑んでないな。レトルトカレーをかけるのも結構おいしいですよ。

閑話休題。

エリック・ピーターソンのキーノートスピーチ「Web解析の神話を暴く」〜プロセス志向でもっと利益をあげるWeb解析〜は個人的に色々と考えさせられるところが多かったので、さらにエントリーを起こしておきます。えーっと、タイトルは演題をそのまま流用してますが、はっきりいって、エリックのスピーチの内容とはほとんど関係ありません。笑い。(エリックのスピーチ内容についてはWeb担当者Forumの池田さんの記事にまとまっていますのでこちらをご覧になるのがよいかと。)

ときにこのスピーチ、原題の"Web Analytics in 2007: Process-Driven Optimization"の方が当然のことながら内容をより的確に表していて、さらにいえばエリックのプレゼンスケジュールの、
Keynote Presentation at Marketing ROI Day in Tokyo
Wednesday, August 01, 2007
Tokyo International Forum, Tokyo, Japan

Eric T. Peterson will be delivering the keynote presentation at the Digital Forest annual Marketing ROI Day. He will be speaking about process-driven analytics and the relationship between technology, people, and process in web site measurement.
がサマリーとしては一番わかりやすい感じ。要はWebサイトの効果測定におけるプロセス志向の分析の重要性とそこにまつわるテクノロジー、ステークホルダー、ビジネスプロセスとの関係についてちゃんとダイアグラムを起こせ、といった話をしたわけです。

まず、冒頭に出てきたのが8%という数字。全米でもプロセス志向でWebサイトの効果測定ができている企業はそれだけしかない、と。

ところが、日本においてプロセス志向のWeb解析をやろうとする場合、そもそもセールス部門やマーケティング部門のようなWebサイトのステークホルダーたちが多くの場合、エリックの考えているようなプロセス志向のビジネスをしてないという問題にぶちあたります。

日本は製造に関しては究極に近いプロセス志向の現場が数え切れないほどあると思うのですが、マーケティングやセールスに関しては、残念ながらぼくの見たわずかな範囲の中ではビジネスプロセスマネジメントがまともに機能しているケースはありません。

というか、Webサイトの効果測定の部分だけを取り出せば、日本でも高度なプロセス志向の作業になってると思いますよ。どんなに小さなWebサイトでも月次レベルでそれなりのレポーティングが可能になってるわけですから。

ただエリックがいいたいのはそんなことではないようですね。プレゼンではわかりにくかったんですが"The Web Analytics Business Process"という登録するとダウンロードできるpptファイルやWhite Papers and Presentations"The Web Analytics Business Process: Making the Case for a Process-Driven Approach to Web Site Measurement"を見ると、『Web解析はアドホックなプロセスではなく、ビジネスプロセスに組み込め』、だとか、《ビジネス上の目標→測定可能な訪問者のアクティビティ→評価指標》といったようなことを書いているわけで、要はビジネスプロセスの中にWebサイト分析を組み入れろ、という非常にレベルの高い話をしていたんですよね。

このあたりは、個人的に日米のマーケティング史ないしはセールス史的な背景の違いが如実に出てくる部分じゃないかと思います。そもそも広い国土を有するアメリカは、戸別訪問販売なんて不可能なわけじゃないですか。それでダイレクトメールに代表されるダイレクトマーケティングをベースにしたセールスが発達したと。

一方、狭い国土の中で限られた場所に人口が集約する日本では営業といえばまず訪問販売、カリスマセールスマンというと元ブリタニカの営業、とかですよね。日本でダイレクトマーケティングというと、米国経由で入ってきたリーダーズダイジェストに関わっていた人が第一人者だったりとか、どこかで外資系企業の経歴を持っていた人が大半のような。

で、アメリカのマーケティングはダイレクトメールから電話ベースに移っても、コールを受けて集めたリードをプロセス志向で成約に持っていくダイレクトマーケティングの思考は連綿と続き、それがそのままECに直結していくわけです。

かたや日本では、訪問販売から電話営業に変わっても、とにかく電話帳を机の上に置いて全ページしらみつぶしにかけていく、という科学のかけらもない気合の世界で、それでも光通信のように根性ベースの営業力だけで上場まで持っていった会社があったりするわけです。セールスにプロセス志向の萌芽がなかったんですよね、つい最近神田昌典さんあたりが持ち込んでくるまでは。

そうした側面がありつつも、また別の流れではランチェスター戦略のような地域代理店による限定された商圏のシェア確保、みたいなセールスシステムが連綿と生き残っていて、この部分が今Webサイトを通じたビジネスプロセスとカニバリゼーションを起こすケースが出てきているんじゃないかと思われます。微笑。

要するに、ビジネスプロセスなりセールスプロセスなりが会議会議の連続で曖昧な意思決定を行っていく日本ではビジネスプロセスをうまくダイアグラム化することもできず、Web解析がプロセス志向になってもROI向上につながるかというとかなり疑問なわけです。

会場にいたおじさんたちは、このあたりをどんな風に受け止めていたんでしょうねぇ。微笑。





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