第3回 Web マーケティング ROI Day

marketing 】 2007 / 08 / 01
自主研修(などと称して堂々と仕事をサボり、昼頃M社長に電話したら聞いてないぞといわれ)で朝から行って来ました、デジタルフォレスト主催の第3回 Web マーケティング ROI Day。会場は有楽町の東京国際フォーラム

キーノートスピーチが「Web解析Hacks」(オライリー・ジャパン)の著者、エリック・T・ピーターソン(別にトヨタ2000GTには乗ってないと思う)というのを見て、すぐに事前申し込みしていました。9時50分くらいの受付でカードホルダーのバーコードIDが5000番台、午後のセッションからの参加の方も多かったと思うのでおそらく7000人は集めたのでは? なぜかたまたま知人がデジタルフォレストに転職してキーノート2のモデレータとして登場したのでびっくりして挨拶しにいったところ、事前申し込みはとてつもない数だったよう(一応伏せる)で、WebサイトのROIなんてテーマでもこんなに人が集まる時代になったのだなあとちょっとしみじみ。越後屋さんはいたのかしらん。

肝心のエリックのスピーチは大いに共感する内容だったが、事前に日本のWeb分析のレベルについて示唆があったか、プロセスマネジメントの話題に終始する感があり物足りなかった。おそらく有料のプレミアムセッションではもっと突っ込んだ話をしていたんだろうなぁ。

で、ブロガー的には午後のメイン2セクション、橋本大也神田敏晶「Web3.0型社会」を中心に語ってみるってのが作法ってもの? 

いやー、このセッション、今回の諸セッションの中で唯一WebのROI向上に貢献しなさそうなゲストとテーマにも関わらず、やはりそれなりに人を集めておりました。

『リアルとネットの進化、融合、淘汰』のサブタイトルで、《テクノロジー》、《コミュニティ》、《ビジネス》の3つのテーマについて、お互いのパワーポイントをマージして交互に意見を開陳するという形式で進められたのですが、一見大雑把で感性の人に見える神田さんが3テーマとも2軸を設定してマッピングした上で話をすすめるのに対し、橋本さんはキーワードを箇条書きにするスタイル。

話の流れが速くあちこちへザップするためメモ書きは不十分。以下、印象と感想を交えつつ主観的にまとめておきます。

まず《テクノロジー》について、神田さんが早速参院選にまつわるエピソードを披露。選挙で使うビラを作るためにインクジェットプリンタを買うにいたる流れがまさに最先端も最先端。まず週刊アスキーのような雑誌媒体で大まかに機種選びをして、価格.comのような価格比較サイトで価格を調べる。

ここまではまあ今や普通の人でもやりますよね。さらにSkypecastに『プリンタを買おうとしている神田にアドバイスしてください』といったチャンネルを作って、そのままヘッドセットをしてネットにつながった状態で量販店に行ってアドバイスを受けつつ購入するという、もうなんだかわけのわからない世界。普段からこんな生き方をしていたら、そりゃもう政治1.0とかもうバカバカしくて思わずツッコみたくなる気持ちもわかるようなわからないような。

でも神田さん、インクジェットプリンタ買ってインクカートリッジ買って紙買ってビラを印刷するなら、プリントビズに印刷頼んだ方が早いんじゃ? A4片面フルカラー裏面墨1で5000枚、4日後発送なら23900円で済むんですけど。翌日配送の49200円でもたぶん安くつくような気がするんですけど。でもたぶんそういうことではないんだろうな、とも思います。テクノロジー自体を消費する快楽?

一方、橋本さんが提示したキーワードは『人海知能』。タギングだとか、Wikipediaだとか、アクセス数による順位付けだとか、そうしたものが既存のテクノロジーオリエンテッドなツールを超えてしまう時代なのではという提起。確かに最近リコメンデーションエンジンってあまり話題にならなくなったような気はします。

《コミュニティ》に関しては、神田さんの、職場・家族のようなマイクロコミュニティの可能性から脱線して、先祖についてWebで知る時代が来る、とか、親が娘のデジタルアーカイヴを嫁入り道具に渡すという話がなかなか面白い流れ。

ぼくも以前、ある展覧会のために「Recordable Millenium」というテキストを書いたことがあるのだけれど、生まれてから死ぬまでのさまざまな事実が記録される蓋然性を持った時代を生きた人はこれまでいなかったわけです。大学時代の後輩の奥様は出産前から延々と育児blogを書いていたりするんですが、ちょっとこのネタを思い出して、何かいうべきなのかどうか迷ったりするんですけど。

一方、橋本さんは「ブロードバンド→ヒューマンバンド」というわかりにくいキーワードを提示。1対1のコミュニケーションが多対多のコミュニティに育った先に相互トラスト、ソーシャルキャピタルといった流れを素描。ここのところはよくわからず。アルファブロガーの信頼性、といったあたりの話も絡んできて、確かに『与信としてのブログ』みたいなものは、IT企業の転職話などで最近よく耳にしますね。これに対して神田さんは企業のやらせブログみたいなものはマーケティング的に成立しないと断言。激しく同意。

もう一つのキーワードが「直感的、記号化、分極化」。Webサイト→メール→ブログ→チャットと次第に文章が短くなっていく流れが確実にある、と。また一方でコミュニティが先鋭化することで細分化され、「空気嫁」といわれても、空気を読めないようなマイクロコミュニティが顕在化しつつある、といった感じの論議。

最後の《ビジネス》。神田さんは主にメディアビジネスがどの方向に向かうかに焦点を当て話題を展開、縦軸の<共有型−自己完結型>、横軸の<時間非同期型−時間同期型>の中心にテレビを置いた上で、テレビ画面の上にCGM型のメディアウィンドウが複数展開されるイメージ図を提示。TwitterやYoustreamのような当たり前の日常を共有することがいま一番面白い、と主張。

一方、橋本さんは「グローバル・アービトラージ」というキーワードを提示。でもこれ、散々ヘッジファンドがやってきたことなんじゃ? で、実例として挙げられたのが中古カメラの話。ヤフオクなどで中古カメラは高騰して、かえって町の中古カメラ店で購入する方が安いという状況が生まれたときに、中古カメラ店で1週間取り置きできるところで実物を押さえてヤフオクに出品してさやを抜くといった話を開陳。しょぼいなー。かつての古本屋のセドリをAmazonマーケットプレイスでやって一儲け、みたいな話もよく聞きますが、そういう話?

また、90年代以降に急成長したITベンチャーは高い能力を持つ学生アルバイトを低賃金で抱え込むことがその原動力になったのではという仮説を披露。このあたりの話に、神田さんは『格差で儲ける』ことへの不快感を表明していたような。

で、ビジネスとして「セカンドライフ」はどうなの? という点はSurveyMLあたりじゃ散々否定的な話が出ているとかいった流れから、神田さんが「セカンドライフ」は忙しいときにアバターを浜辺で日光浴させているのを眺める、というのが心理学的に効果が認められるといったエビデンスでも出てくればまた違った展開もあるんじゃないの、とビジネスからは距離を置いた所に位置すると考えている様子。で、アバターが自分が寝ている間にも仮想世界で情報を集めまくっておいしいところだけ編集して見せてくれれば最高、と最後はニコラス・ネグロポンテ「ビーイング・デジタル」(福岡洋一・訳、アスキー)の時代にまで戻ってしまうよくわからぬ締めっぷりに満場割れんばかりの拍手。微笑。

で、Web3.0って何? 笑い。

(8/3 追記)
神田さんのブログのエントリー「ROIDay資料アップしました!」より、当日のセッションで使われたパワーポイントがダウンロード可能になっています。が、上の記事とpptを見比べてもらうとわかるように、神田さんと橋本さんの掛け合いがまさに『セッション』だったわけで、資料を見ても会場の雰囲気はあまりつかめないかと。微笑。





Comment(2) | TrackBack(1) | marketing

この記事へのコメント
いやぁ、かなり初期にエントリーしてまして、
しかも場所が会社の向かいだというにもかかわらず
行けませんでした…orz
そんなに集まっていたとは。

ところで、DFに転職した知人って誰ですかw
最近同社と微妙に絡んでるので気になります^^;
Posted by 越後屋 at 2007年08月01日 23:40
越後屋さん:
別途mixiよりメッセージ送信したとおりでございます、はい。

エリックのキーノートスピーチはちょっと本筋とはずれたところで考えさせられるところもあり、別途エントリーを起こそうかと思っているんですが、当日のプレゼン資料がデジタルフォレストのサイトにもエリックのWeb Analytics Demystifiedにも上がっていないようで。ちょっと確認しておきたかったいんだが……。この辺は主催者側できちんとやってもらいたいところなんですけど>Sさん(謎)
Posted by 衰弱堂 at 2007年08月02日 22:39
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Weblog: KandaNewsNetwork
Tracked: 2007-08-03 16:56
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