分けることとつなげること

marketing 】 2007 / 07 / 21
以前、武永昭光「伊勢丹だけがなぜ売れるのか」(かんき出版)という本を紹介したが、読まれた方はいますか? いないだろうな。

この本では「商品分類が全て」ということを百貨店の現場の例を引きながら強調している。そしてこの商品分類のレベルが、凡百のWebインテグレータでは真似のできないレベルなわけです。

商品分類というのは、切り口をいくつ見つけられるか、ということ。商品の一般的な分類、メーカ品かプライベートブランドか、商品の色やサイズ、使われるシーン、その商品と合わせて使われる商品、対象とするユーザセグメント、定番品かそうでないか、売れ筋か補完的な商品か、などなど。

ここには、Webアーキテクトがまず考えるべき枠組みが含まれているからこそ、ぼくはこの本をWebの仕事に関わる人にも読んで欲しいと思ったんです。
この本に書かれている商品分類はWebサイトで言えばコンテンツカテゴリーに相当します。多くの場合、コンテンツの一般的な分類はきっちり行われているケースが多いです。が、コンテンツ間のつながりをどう表現するか、という部分でのWebサイトの基本設計ができてないケースがまま見られます。

これに対して、「ユーザーエクスペリエンス」だの、「ユーザー視点」だのという言葉でなにがしか語られるケースも多いのですがそれがWebサイトの体系にきちんと組み入れられているケースは少ないです。最近ではジョン・S・プルーイット他「ペルソナ戦略―マーケティング、製品開発、デザインを顧客志向にする 」(秋本芳伸他・訳、ダイヤモンド社)のような仮定されたユーザセグメントではなく、詳細な属性を落とし込んだ仮想の一利用者、ペルソナをベースにマーケティングを組み立てようという興味深い本も翻訳出版され、利用者をより深く理解しようとする試みは急速に発展してきていると思います。きちんとキャッチアップできてます?

ちょうどユーザーエクスペリエンスに関して、棚橋弘季さんのDESIGN IT! w/LOVE「ユーザーエクスペリエンスを考える上でのおすすめの15冊」というエントリーがあがっていましたので、さらに興味のある方はそちらをご参照ください。伊勢丹本は入ってなかったなあ。

最近はぼく自身がWebサイトの設計を行う機会もめっきり少なくなったのですが、個人的にはコンテンツ間のリレーションにはかなり気を使う方だと思います。Webサイト内の1ページごとにサイドペインで関連ページを誘導する、逆に誘導すべきコンテンツがない場合は新規のコンテンツカテゴリーの追加を検討する、というのはもう必要不可欠な設計になっていると思いますが、そこが今ひとつわからないままに作られているWebサイトがまだまだ多いんですよね。

情報というのは、あるものと別の何かを分別することによって成り立っています。と同時に、あるものと別な何かのつながり自体も情報を構成します。前掲書の中で語られる伊勢丹のヴィジュアルプレゼンテーションの基本はこのことをはっきり意識しています。

分けることとつなげること、これは簡単なようでかなり奥深いことなんですね。






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