ページビューなんてすでに無意味になっている、けれども。

marketing 】 2007 / 07 / 01
企業Webサイトのアクセスログ分析の基本設計をやる機会が何度かあり、そういった話になると天の声でぼくのところに話が降りてくるわけですが、HotWeb Magazineの(どうでもいいがタイトルタグの表記とタイトル画像の表記が異なるのが気になる)「ページビューが意味の無い日が近々やってくる」を流し読みしていて、正直もうページビュー(PV)が意味なしなんて分析する本人はだいたいわかってるよな、とも思うわけです。Webサイトの媒体価値に基づいて広告収入をあげようというビジネスモデルに関わらない、ごく普通の企業Webサイトの場合ならば。

メディア系のWebサイトの場合は、結局この話ってマス広告の世界で言うGRPがほんとに意味あるの? みたいなところなんでしょうね。とかいいつつGRPちゃんと理解してませんが。自分、不器用ですからマスはわかりません。笑い。

ところが、クライアント側の担当者的に、PV欲しがるんですよ。これ、なぜかというと社内で一番説明しやすい数字だから。

個人的にはWebサイトの定点観測の基本設計を求められる場合、クライアントの担当者には、月間の延べ訪問者数ベースで重要なページ、ディレクトリ、ランディングページを見て、あとは問い合わせ数や資料請求数などの通常のやり方ではWWWサーバログに出ない数字をきちんと押さえなさい、それでOK。といった類の話をするんですが、まあ、たいがいそれでOKになることはありません。彼の会社はそれを許さないわけですよ。

そもそも「延べ訪問者数って何? うちのホームページに何人来たかわかるの?」という社内からのツッコミに対して、延べ訪問者数の定義を正確に答えられるならば、あなたは企業WebサイトのWebマスターとしては相当レベルが高いです。これは保証します。そんな保証いらないか。笑い。

「ページビューが意味の無い日が近々やってくる」の書き出しの部分でもさらっと「ビジター」という表現で流されてますが、ビジターなりユニークユーザなり延べ訪問者なりというのは、実際には厳密に取れるものじゃありません。

もっとも単純なそれは、PVもそうだと思いますが代表的なクロウラ類をログから除外して、WWWサーバログのリモートホストとユーザエージェントで切り分けた数字を取ります。ただ、大企業からのアクセスでありがちなんですが、OSもブラウザもすべて定められているためユーザエージェントが共通でプロクシ経由のアクセスのために複数の閲覧者がアクセスログ上は1人にしか見えないケースがあるんですね。そのため、最初の閲覧からの時間や閲覧ページ数の上限を設定してさらに細分化して取るのが一般的な延べ訪問者数だと思います。

個人的に利用を推奨しているClickTracksの場合は、デフォルトの設定では確か1訪問の時間が30分、ページ間の遷移時間15分、1訪問あたりのページ閲覧数250ページを上限に延べ訪問者数を細分化していきます。延べ、とわざわざいうのは同一人物が集計期間中に複数回訪問するため。

これを企業内の普通のおじさんおばさんお兄ちゃんお姉ちゃんに理解してもらうのは非常に困難。それに比べればPVは「ページが見られた数です!」と胸を張って断言できるわけですね。で、普通のおじさんおばさんの兄ちゃんお姉ちゃんも、「おお、すごい!」と感動するわけです。悲しいことに。なんだかわからないものは感動以前に拒絶される、と。悲しいことに。

で、HotWeb Magazineのエントリーでは色々なPV水増しの仕掛けが紹介されているのですが、ここに入っていないので一番強力無比なのがWebsite Explorerのようなツールで自宅からアクセス。

実際にネットワーク管理を委託している会社の社員にやられたり、競合他社もしくは他のWebインテグレータと思しきアクセスで猛烈にPVの水増し食らったことがあります。これ割り戻すのめんどくさいんですよ、ほんとに。メディア系のWebサイトなら外注ライター全員に1日1回Website Explorer頼めばもうばんばんPV水増しできますよ、旦那。笑い。

このやり方はそれでも延べ訪問者数に与える影響はPVに対するそれに比べ小さいので、まあ延べ訪問者数を見たほうがいいですね、といった話。しかも最低1年以上は見た上で12ヶ月の移動平均を見るのが理想。5月8月は当然企業Webサイトの場合アクセスが落ち込みますし(逆に2ちゃんねるのようなサイトはアクセスが増えるのかもしれない)、さらに厳密に言えば土日祝日のアクセス数は落ちるため平日の日数によってもアクセスボリュームが大きく変動します。結局アクセスログ分析の世界には、理想的なメトリクスなんてありゃしないんですよね。大雑把にトレンドつかんで、キャンペーン系や新商品関連のページの変動をちょこっと見る、くらいのつもりでいた方がよろしいかと。

なんだけれど、企業はやたらと細かい数字を取りたがるんですよね。ともかく、直接施策を打てない数字は出しても意味がないので捨ててください。お願いしますほんとに(微妙に涙目)






Comment(7) | TrackBack(0) | marketing

この記事へのコメント
おらにはむずかしい話はよくわかりません。



ただひとつ言えるコトは




(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ(゚ロ゚)オラ
Posted by しっし at 2007年07月01日 11:16
いやだから、わからなかったら無理してコメントつけなくてもいいから……苦笑。
Posted by 衰弱堂 at 2007年07月01日 13:29
VisionalistとSiteCatalystで格闘中。
某企業のオーナーが持つ「PV至上主義」を
意識変革させるのに、1年かかりました。
いや、まだたまに「PVは…」って言うけどw
その前にブランドが阻害要因になっていて(Ry
Posted by 越後屋 at 2007年07月01日 21:31
越後屋さま、やはりそういった苦労はぼくだけじゃなかったんですね……しみじみ。

SiteCatalystはある案件で日本代理店のIMJのプレゼンに同席する機会があったのですが、正直、ECサイトでもWebメディアでもない一般的な企業Webサイトをトップマネジメントが毎日見ることの必然性を感じませんでした。

とにかく、アクセスログ解析はたぶんにファジーな部分が残る領域なので、できるだけロングタームで見てほしいなあ、と。苦笑。

メジャメントの部分だけWebとリアルを直結させて、ビジネスの部分のつながりが曖昧、というのがしばしば目にするやばいケースなので、そのあたりのご健闘もお祈りいたします……。
Posted by 衰弱堂 at 2007年07月01日 22:32
あ、越後屋さんって、ぼくの知っている「@越後屋」な方ですな、ひょっとして。
どおりで高いツールをお使いなわけで……
Posted by 衰弱堂 at 2007年07月04日 14:21
はい、あの越後屋です。大黒屋さま。

いやいや、親会社が導入を決めたので「グループ会社(※51%以上)価格」で使えるので使わない手はないな、と。ハッキリ言って、言えない価格ですw単独で入れるのは価格的に微妙でした。WebTrendsが本命だったみたいなんですけどね。

しかしまぁASPの宿命というか、Visionalistのデータを(ある程度しか)移行することもできないし、かといって今まで貯めたデータを捨てるわけにもいかないので、しばらくは並行させるしかない感じ。

まぁ、あくまで「目安」でしかないのはどのツールを入れても同じなのでしょうが、その目安もないまま海に漕ぎ出すのは羅針盤を持たずにオールだけで漕ぐようなものなので、それはイヤですwそういう会社に限って、「PV上げろ」とか言うわけですよ。

要はツールはツールなのであって、「目的」に沿ったチョイスをすれば良いのだという、極めてシンプルな話だとは思います。コンバージョンを重視するのと、レポーティングが簡潔なのと、スピードが速いという理由で、タグ方式の同製品をチョイスしました。

代理店がアンポンタンなので、リスティングもSerachCenterを使って自社運用しようかと考え中。でも、ASPだから自由にデモできないんだって!作れよw
Posted by 越後屋 at 2007年07月09日 02:40
目 まで読んだ。
Posted by manbow at 2007年07月15日 19:01
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。