武永昭光「伊勢丹だけがなぜ売れるのか」(かんき出版)

books 】 2007 / 05 / 01
自社のプロジェクト「XXX」(あえて秘す)関連でちょっとした仕掛けがあり、必要に迫られて武永昭光「伊勢丹だけがなぜ売れるのか」(かんき出版)を購入、読了。

著者はある小売店で伊勢丹の人材と働いた経験をベースに、伊勢丹のどこが優れているのかを「MD」、「VMD」、「改装」、「販売サービス」といった点から、具体的な売り場作りに即して詳細に語っている。正直、あまり期待せずに読んだ1冊だが思いのほか知見に富む。

あまりに売り場の実務に即しすぎ、そうした業務に関わる人を対象読者としているためか専門用語に注釈が少ない点は不親切。ただ、逆に現場のリアリズムが伝わってくるともいえ、小売業以外の人にも非常に役に立つ話が多かった。

同僚に読めと無理やり渡したため今手元にないが、思い出すと例えば、

・商品分類が全て。年齢層やオケイジョン、素材、ブランド自体のランクなどからどこまで詳細に落としこめるか。その上で、商品のセグメント別割合がアイテムごとにばらばらにならないよう統一すべき。ある商品ではラグジュアリセグメントが30%を占めるのに別の商品では60%の展開、は買いまわりを考えれば明らかにおかしい。

・VMDはディスプレイ、壁面、POP、什器、商品のバランスを取った上で適切なスペースを空けておくべき。商品の面出しも重要な要素。かつ、壁面や商品と商品の間に適切な隙間がないと客をひきつけることができない。

・改装にあたっては4シーズンの商品展開や販売計画をあらかじめプランニングした上で売り場展開に織り込んでを設計しないと、調達した商品が什器におさまりきらずに棚割りが崩れるなど商品陳列のレベルが維持できない。

といったあたりが、(特に自分自身の)Webの情報設計やプロジェクトマネジメントなるものがいかに稚拙なレベルかを思い知らされた。

ちなみに読後ある百貨店の紳士服売り場を見たとき、この本に記されていることがよく理解できた。できれば伊勢丹にも行ってみたいと思います。

って、行ったことないのかよ! 笑い。




Comment(3) | TrackBack(0) | books

この記事へのコメント
三越の地下に行きたいが、まだまだやのう…
Posted by G at 2007年05月01日 23:19
 最近伊勢丹に行きはじめて、なるほどねえ、と評判をようやく実感。食品売り場がわかりやすいように思う。(いや、ブランド教えてもらわないと、やっぱわからないけど)

Posted by ムラダス at 2007年05月04日 00:07
今ちまちま読んでいる「書店風雲録」にもちょっと百貨店の裏側の話は出てくるんですが、食品売り場は人の入りに比べ利益率が低く、社内じゃあまり評価されないんだとか。出世するのは婦人服売場あがりが多いとか何とか。
Posted by 衰弱堂 at 2007年05月06日 18:29
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