輝けるオランイェ(Euro2008 Group C:Netherlands - France)

sports 】 2008 / 06 / 14
夜も深まる午前3時半の東京。待ちに待ったオランダが登場である。今回、オランダはオランダであるがゆえに評価され、それを超える評価はなかったように思う。伝統の両ウイングの突破、4−3−3を捨て、ファン・ニステルローイの1トップの後ろに10番タイプを3人配するフォーメーション、セードルフの不可解な離脱もあり、ファンバステンへの風当たりも相当なものだった。同組のイタリア、フランスは安定した守備陣に加えて前線にも豊富なタレントを擁し、オランダよりも1枚上、というのが衆目一致するところだったろう。

そんな中で迎えたEURO2008初戦のイタリア戦、歴史的な大勝にそれらの声は塗り替えられた。強い、オランダ。それでもぼくは危惧していた。そこに、オランダはいるのか? いつものように、1998年W杯から断続的に繰り返される、オランダを追うショートトリップが、はじまる。

スターティングラインナップ、オランダはイタリア戦からメンバーを動かさず4−2−3−1。フランスは1トップにアンリを入れ、右FWリベリーが引き気味のダブルボランチ4−4−2。

フランスボールでキックオフ。開始早々たびたび笛がなる激しい展開。双方が攻めあうがフランスの中央が厚くオランダはハーフウェイラインでたびたびボールをまわし崩しをうかがうといった風情。

ゲームは早々に動いた。9分、ファン・デル・ファールトの右CKをカイトがヘッドで競り勝っていきなり先制! 理想的な試合運びでオランダ連勝の期待高まる。フランスはリベリーの際立つボール運びも攻めに厚みがない。18分、オランダがハーフウェイラインを超えてその輝きを放った。グラウンダで細かくパスをつなぎながらフランス陣内中央を突破しファン・デル・ファールトのシュート。これはフランスDFに当たるも、まさにオランダならではの展開。

20分あたりからフランスは早くも3人がアップを開始。ここは引き分け以上の結果が欲しいフランス。眼鏡が怪しいドメネク、備えを怠らない。このあたりから一旦流れを握りかけたフランス、21分ゴブがゴール前左でキープしシュートに持ち込むも守護神ファン・デル・サールが押さえる。23分、マケレレ−ゴブの連携で中央を突破、強烈なシュートはファン・デル・サールが大きく蹴りだす。

ポゼッションを取っているのはオランダ、64%。しかしフランスは34分左奥から出たパスをアンリがスルーしてゴブがミート、リベリーの単独での中央突破からのシュートなどゴールを脅かす。ロスタイム1分、ほぼ互角の展開ながらオランダが先行しての前半終了。

この時点でかなり眠くなり、オランダ最小得点での勝利を願いつつ床に入ろうとした。が、せっかく楽しみに待っていたのだからと椅子に座って半分居眠りしながら後半を待つ。

後半早々、動いたのはリードするオランダ・ファンバステンだった。左ボランチのエンヘラールを下げて、まさかのロッベン投入。いまや1人でオランダサッカーを体現するロッベン、開幕直前までスタメン候補も股関節を痛め初戦欠場で、この試合も様子見かと思えば、ファンバステンは積極策。しかし、フォーメーションがどう変わったのかよくわからない。解説の小倉隆史(なんか妙に織田裕二っぽい)いわく4−1−4−1。

54分、フランス、アンリ。走りこんでゴール前フリーでループもバーを大きく越える。55分、再び動くファンバステン。先制点をたたき出したカイトに変えて、ファン・ペルシ。そしてこの2枚の交代から、再び輝けるシーンが生まれた。

58分。左サイド中央でファン・ニステルローイがルーレットで交わして残したボールを受けたロッベンが一気に縦に突破! 内に切れ込んでゴール前にあげたクロスに走りこんだファン・ペルシが反応、戦慄の、旋律の2点目がフランスゴールに吸い込まれる。オランダだ、これが見たかったんだ!

ロッベンはさらに右サイドで繰り返し突破を図り、フランスもリベリーが必死にキープして上がっていくがフォローが足りない。60分、フランスはマルダに変えてゴミス投入。65分、ファン・ペルシが左サイドからゴール前へ、フランスDFが3枚ついて右にボールを流すがフォローなし。

そしてフランス、1試合と70分ほどを要してようやくEURO2008初得点。サニョールが右サイドを突破しグラウンダでクロス、前線のアンリが足を合わせて2対1と詰め寄る。これでわからなくなってきた。

そう思った刹那、オランダ閃光の一撃。72分、スナイデルからのパスが左サイドのロッベンに出るとそのまま一気に縦走。深い角度のない場所から豪快に叩き込み、フランスをねじ伏せにいく。ロッベン、最高だ!

75分、フランス、ゴブに代えアネルカ。リベリーはいい動き、もう1人誰かが決め手になれればフランスもまだ詰め寄るだけの力はある。77分、オランダが危険な位置でFKを許す。リベリーがあげたボールをアンリが頭で合わせるもバーの上。78分、ファン・デル・ファールトに代わりDFのバウマ投入でオランダはディフェンスを強化。81分、ゴール前マケレレにボールが出てシュートに行くもすべる。笑い。

ポゼッションはオランダ53:47フランスと互角。83分、GKクペが前がかりになったところをファン・ニステルローイのヘッド、面白いところに飛ぶがクペが必死のパンチング。ここまであまり見せ場を作っていないファン・ニステルローイ、マッチセンターで見るとフランス陣内中央付近で動きつつ、シュートブロックも1本と献身的な働き。

85分、アンリ、アネルカと立て続けにシュートも決まらず。87分、マタイセンのファールでゴール前約23mの位置でFKを取り、リベリーが決めにいくもバーの上。フランス、敗色濃厚。リベリーが、必死に走る。ロスタイムは2分。

フランスの抵抗をあざ笑うかのように、ロスタイム92分。左サイドからのセンタリングをバイタルエリアで受けたスナイデルが巧みにターン、豪快なミドルをポスト中央最上部に叩き込んで4点目! オランダ、イタリアに続きフランスも撃破し、なんとグループC1位通過をあっさり決めてしまった……。

前半終了時点ではまさかここまで一方的な点差になるとは思ってもみなかった。オランダは、強い。そして、美しさもそのままに、再び欧州サッカー界で輝こうとしている。前半18分のパスワークからのフィニッシュと、ロッベンの絡んだ2得点、あれらのシーンを目撃できただけでも満足だ。もう、今まであまり好きでもなかったNike(オランダ代表のサプライヤ)のウェアを買おうかとさえ思いはじめているのがよくわからない。笑い。

それにしても、死のグループといわれたGroupCもこれで残すところ1試合。オランダの思いがけない連勝とルーマニアの2分けにより、イタリアとフランスは生き残りを賭けて最終戦を戦うことになった。勝ち点はオランダ6、ルーマニア2、フランス・イタリアが1。勝った方が決勝行きに近づく。しかし、ルーマニアも予選ラウンドでオランダに1勝1分。ルーマニアが勝てばイタリアとフランスは死のグループで、そのまま死を迎える。判決は6月18日午前3時35分、TBS。

オランダはルーマニア戦の結果によらず準々決勝をGroupDの2位通過国と戦う。スペインか、スウェーデンか。もしスペインが2位通過ならこれは屈指の好カードになるが……。

 ・マッチセンター:オランダ 4 -1 フランス(uefa.com)


タグ:EURO2008 Football





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