小国の矜持(Euro2008 Group C:Italy - Romania)

sports 】 2008 / 06 / 14
EURO2004でオランダの失われてしまったものを嘆いてからはや4年。再びEUROの季節がやってきた。季節は流れ、私は残る。これはギヨーム・アポリネールだったか。いや、目にしたのは「ザ・シェフ」でなんだけどね。笑い。

2006年W杯のファイナリスト、イタリアとフランスの2国が入り、開幕前から死のグループと呼ばれていたGroup C。前回はオランダの地上波中継が1試合だけだったところが、今回TBSはグループリーグではこのGroup Cに注目して放送を組んでいた。オランダファンとしてはありがたい。

それでもDFラインの安定度から、オランダはおそらくそれなりに傷を負って、伊仏どちらかを食っての1勝1敗1分けでの決勝トーナメント進出があれば上出来だろうなあ、などと思っていた。しかも、初戦のオランダ−イタリアは火曜の午前3時半。あきらめて高いびきを決め込んでいたら、なんと3-0で完封と歴史的な大勝利を挙げているじゃないですか。どうしたオランダ、強いのかオランダ?!

一方のフランスはGroup Cで1弱の呼び声高かったルーマニア(でもルーマニアは予選ラウンドをオランダと同組でトップ通過なのだが)相手にスコアレスドロー。はやくもきな臭い空気が漂う中、週末のGroup C、2試合の地上波放送はなんとも楽しみなものとなった。

遅い夕食を、発泡酒片手に迎えたイタリア−ルーマニア戦。オランダに完敗したとはいえタレントは3枚も4枚も上手のイタリア、これは一方的な展開になるんだろうとさほど期待せずに見始めた。

先発フォーメーション、イタリアはトニが1トップの4−2−3−1、ルーマニアは左FWムトゥが引き気味の4−1−3−2。

イタリアは初戦後半で投入され見せ場を作ったデル・ピエロが先発、トニの下に入る。序盤、左サイドのグロッソのオーバーラップで再三形を作りかさにかかって攻め立てた。が、先に決定的な場面を迎えたのは守勢のルーマニア。16分、カウンターからムトゥが1対1に持ち込みシュート、18分、ターマシュの左下へのシュートはそれぞれブッフォンが好セーブ。20分のキヴの威力のあるFKはあわやオウンゴールのシーンもポストにはじかれた。やや左がかりのイタリアに対して、ルーマニアも左から薄めのイタリア右サイドをムトゥが突く展開か。

21分、ルーマニアのラドイとラトが交錯してラドイ担架で外へ。ラトも出血。25分にようやくディカが入る。予想外の交代に逆風の気配漂うルーマニア。ここまで押しながらフィニッシュに持ち込めないイタリアだが、ボールポゼッションは61%と圧倒。ルーマニアはファウルを交えて粘る。ロスタイムは3分。47分にカモラネージのCKをザンブロッタが中に入れ、トニの頭がジャストミート、ゴールネットを揺らすも微妙なオフサイド。イタリア、攻めながら点が入らない苦しい展開となった。

一方、ルーマニアはある程度イタリアのフリーな攻め上がりを許しつつペナルティエリア内をきっちり固めて失点を許さないという、おそらくゲームプランどおりの展開。GKロボントの好セーブもありいい感じで前半を終えたと見た。

後半は早々にイタリアがセットプレーからゴールを狙うもかみ合わない。枚数かけている割にはトニにフォローが足りない感じ。逆に前半の積極的なプレイからの疲れか、ルーマニアが少しボールを動かせる局面が現れ始める。そして後半開始の10分あたりからゲームは動く。

54分、ムトゥのミドルはブッフォンの正面で押さえられるも、その直後。ルーマニア陣内での混戦から出たクリアボールがイタリアゴール前へ。DFがはじいたところに走りこんだムトゥが落ち着いて決め、ルーマニア先制! 俄然ピンチを迎えたイタリアだがわずか1分後、CKからキエリーニの折り返しをパヌッチが飛び込み同点ゴール。ルーマニアのつかの間のリードは終わり、その後も双方が攻めの形を作りあう激しい展開。イタリアはデル・ピエロ−トニのラインで再三のフィニッシュシーンも合わない。ことごとく合わない。ペナルティエリアまで持ち込めないルーマニアは遠目から果敢にミドルで逆襲する。77分、ゴールを割れぬままデル・ピエロout。クアリアレッラを投入。

そして迎えた80分、実に実に決定的な局面。ゴール前でいい形を作りCKを取ったルーマニア、ニアポストのニクラエの足下にいいボールが入ったところで同点ゴールのパヌッチが首をおさえ痛恨のPKを与えてしまう。イタリア、絶対絶命。蹴るのはムトゥ。大事に右サイドに蹴ったボールが甘く内に入ってしまい、ブッフォンこれを止める! 大魚を逸したルーマニア、首の皮1枚残したイタリア。85分、out:カモラネージ、in:アンブロジーニ。生き残ったイタリア、デル・ピエロに代わったクアリアレッラとトニが執拗に1点を狙う。大きな大きなPKをはずしてうつむき表情の冴えないムトゥ、88分にピッチを去る。ロスタイム3分。ルーマニア、守り抜き、わずかな運をつかみきれず、それでも大きな勝ち点1を得る。イタリアは痛恨のドロー。

終わってみればイタリアのボールポゼッションは53%。ルーマニアは押されていたが、試合全体を通してみれば守勢ではなかった。イタリアを上回る16本のシュートを放っている。守って勝つ、引いて勝つ、そんな、日本では違和感のない言葉とは異なる、隙あらば牙をむく小国の誇り高きサッカーを存分に見せつけた。乏しいタレントを生かしきったピトゥルカのマネジメントが光る。

イタリアは12本のCKを得ながら、パヌッチの1点のみ。トニは動き形をつくったが、凄みを欠いた。2試合を終えて勝ち点わずかに1。いよいよ後がなく、残るはフランス戦のみ。2試合目のオランダ−フランスの結果次第では凄絶な最終戦となる。

 ・マッチセンター:イタリア 1 -1 ルーマニア(uefa.com)


タグ:Football EURO2008





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